妻が妊娠を機に仕事を辞めて、我が家は一馬力になりました。しばらくして、妻からこう聞かれました。
妻「私、このまま専業主婦で家計的に大丈夫なん?」
このとき「大丈夫だよ」とは答えませんでした。代わりに、過去の家計簿から数字を出して、計算してから答えました。
結論から書くと、我が家は「今の生活水準なら大丈夫」でした。ただ大事なのは結論ではなく、どう計算すれば「大丈夫」と言えるのかの部分だと思うので、その手順を書きます。
「専業主婦で大丈夫か」を、感覚で答えなかった理由
感覚で「大丈夫」と言っても、たぶん妻の不安は消えません。
根拠のない安心は、その場では効いても、数か月後にまた同じ質問が出てきます。不安の正体は「分からないこと」なので、分かる状態にしない限り解消しないからです。
それに、もし本当は大丈夫じゃなかったら目も当てられません。感覚で「大丈夫」と言い続けて、数年後に教育費が足りないと気づく——これが一番まずいパターンです。
なので、その場では「ちょっと計算してみるわ」と言って、後日、数字で答えました。
専業主婦の「不安」は不満とは違うので、数字を渡せば消えます
ここは分けて考えたほうがいいと思っています。
妻から出たのは不満ではなく不安でした。「専業主婦でいたいのに責められている」でも「もっとお金を使わせてほしい」でもなく、単純にこのままで成り立つのか分からない、という状態です。
不満なら、家計のルールそのものを変える必要があります。でも不安は、情報を渡せば消えます。この2つを取り違えて、不安に対して制度を変えようとしたり、不満に対して数字を並べたりすると、話がこじれます。
我が家で出てきたのは、これまで全部「不安」の方でした。
専業主婦で家計が回るかは、3ステップで判定できます
やったことは3つだけです。
ステップ1:過去の家計簿から、月平均の収入と支出を出す
まず現状把握です。過去の家計簿から、収入と支出それぞれの月平均を出します。
ポイントは、ボーナスも含めて平均すること。ボーナス月だけ黒字で他は赤字、という家庭は珍しくないので、月単位で見ると判断を誤ります。年間の総額を12で割って、平らにならした数字で見ます。
ここは推測を入れず、実際に使った額を使うのが大事です。「これくらいだろう」で出すと、だいたい低めに見積もってしまいます。
ステップ2:目標から逆算して、必要な毎月の積立額を出す
次に将来です。老後資金や教育資金について、目標額と、それが必要になる時期から、毎月いくら積み立てればいいかを逆算します。
このとき保守的に見積もるのがコツです。運用利回りを高く置けば必要積立額は小さくなりますが、それは「うまくいったら大丈夫」という判定になってしまいます。低めの利回りで計算して、それでも成り立つかを見ます。
ステップ3:収入から、支出と必要な積立額を引く
あとは引くだけです。
月平均の収入 −(月平均の支出 + 必要な毎月の積立額)
- プラス → 今の生活水準なら、専業主婦でも大丈夫
- マイナス → 将来の備えが足りなくなるのでNG
判定はこれだけです。
大事なのは、貯金残高が増えているかどうかでは判定しないことだと思っています。残高は増えていても、教育費と老後に必要な積立ができていなければ、将来から前借りしているのと同じだからです。必要な積立を引いた後で、まだプラスかどうかで見ます。
我が家の結果は「今の生活水準なら専業主婦でOK」でした
我が家はプラスでした。なので「今の生活水準なら、専業主婦のままで問題ない」と妻に伝えました。
ただし、これは条件付きの結論です。そこも一緒に説明しました。
- 「今の生活水準なら」という前提がつく。生活費が上がれば結論は変わります
- 今後子どもが増えれば、支出は増える
- やりたいことが増えれば、必要な積立額も増える
最後の点について、妻はこう言っていました。
妻「老後は注文住宅で建て替えたいんよね。テラス付きの平屋。あれ、いくらかかるん?」
こういう希望を本気で計画に入れるなら、必要な積立額が変わるので、判定もやり直しになります。「今の設計のままなら大丈夫だけど、やりたいことが増えたら再計算だよ」という話をしました。
不安に答えるというのは、永久保証を出すことではなく、いまの前提での答えと、前提が変わる条件をセットで渡すことだと思っています。
「こんなに外食して大丈夫?」も、同じ計算で答えが出ます
もう一つ、妻からよく出るのがこれです。
妻「こんなに外食しちゃって大丈夫なん?」
これは浪費を心配しているというより、自分に収入がないことへの引け目から出ている言葉だと思っています。
この質問、実はステップ3の計算をした時点で答えが出ています。外食を含んだ実際の支出で計算して、それでもプラスだったからです。
つまり順番の問題でしかありません。
- 実際の支出(外食込み)を把握する
- 必要な積立額を引く
- それでもプラスなら、その支出はしていい支出
先に必要な積立が確保できているなら、残ったお金の使い道は自由です。外食が多いか少ないかを個別に議論する必要がありません。変動費は最後に見る、というだけの話です。
2人目が生まれても専業主婦で大丈夫かは、正直まだ計算していません
正直に書いておくと、第二子が生まれた場合の試算はまだやっていません。
考えとしては、子どもが増えれば生活費も教育費も増えますが、その頃には収入もある程度上がっているはずなので、ある程度は相殺されるだろう、と見ています。今の時点でプラスなら、今後大きくマイナスに転じることはない想定です。
ただしこれは計算した結果ではなく、そう考えているだけです。第二子を具体的に考える段階になったら、同じ3ステップをやり直すつもりでいます。
こういうところも、隠さず「まだ計算していない」と伝えたほうがいいと思っています。計算したことと、そうだろうと思っていることは、分けて渡す。混ぜると、後で前提が崩れたときに信頼ごと崩れるので。
自分の家計で「専業主婦でやっていけるか」を計算してみる
この3ステップ、やること自体はシンプルですが、ステップ2(目標から必要な積立額を逆算する)だけは手計算だとしんどいです。目的ごとに目標額と年数が違うので、それぞれ逆算する必要があります。
我が家の設計をもとに、目的別に必要な積立額を出して、今の資産配分で足りているかを判定できる無料ツールを作りました。ステップ2とステップ3をそのまま計算できます。
さらに詳しい機能もあるのですが、LINEに登録いただいた方には、有料機能のパスワードを無料でお配りしています。「一馬力のままで成り立つか」を自分の家の数字で確かめたい方はどうぞ。
まとめ:専業主婦のままで家計が大丈夫か判断する方法
- 不安に「大丈夫だよ」と感覚で答えない。不満なら制度を変える必要があるが、不安は数字を渡せば消える
- 判定は3ステップ。①過去の家計簿から月平均の収入・支出を出す(ボーナスも均す)②目標から必要な毎月の積立額を保守的に逆算する ③収入 −(支出+必要積立額)がプラスか見る
- 貯金残高の増減で判定しない。必要な積立を引いた後でプラスかどうかで見る
- 結論は「今の生活水準なら」という条件付きで渡す。前提が変われば再計算
- 「外食して大丈夫?」も同じ計算で答えが出る。変動費は最後に見る
一馬力でやっていけるかどうかは、気持ちの問題ではなく計算の問題です。計算してしまえば、不安は「まだ計算していないこと」だけに絞られます。